RGM−79N ジム・カスタム
サウス・バニング搭乗機

この機体は、OVA「機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー」に登場するジムのバリエーションの1機で、一年戦争後に開発された,RGM-79jジムの基本性能を向上させた高性能量産機です。「特徴の無いのが特徴」と揶揄されるほどの高い汎用性を持ち、主にエースパイロット向けに支給されましたが、生産コストが高かったため製造数は少ない様です。

ガンダム試作2号機追撃の任にあたったペガサス級強襲揚陸艦アルビオンには、このジム・カスタムが3機配備されていて、MS部隊指揮官サウス・バニング大尉およびアルファ・A・ベイト中尉ベルナルド・モンシア中尉らが搭乗しています。
今回の作例は、サウス・バニング大尉の機体をイメージして作りましたが、ベイトやモンシアの機体にしても面白かったかも知れませんね。
キットで発売されているジム・クゥエルは、この機体を基にティターンズが再設計した物です。

この作例は、ジム・クゥエルから改造していますが、この2体は似ている様で結構似てないのですよ・・・全体のバランスなどちょっと製作に時間が掛かりました。
何時もの様に1/35のバニング大尉もスクラッチ致しました。

劇中では、シーマ・ガラハウのゲルググマリーネとの戦闘がとても印象的です。


製作コメント


頭部=クゥエルそのままでは全くバランスや形状が違うので頭部全体にアルテコを盛って形状変更致しました。
改造箇所が多くて全ては細かく書けませんが、一番のポイントはゴーグル下のパーツが2重になっている事です。
これは、MG化された時も再現されていなかった箇所です。
あとは、トサカ・バルカンの位置・バイザー・両サイドのダクト・頬・首の延長など全て手を加えております。

腕部=肩と下腕は、キットの物にプラ板とパテで改造した物をレジンに置き換えて両腕ともに使用しています。
肩内部のパーツは、パワードジムの物です。
シールドマウントラッチには、市販パーツを使用。

脚部=キットのままでは、非常に太いのでヒザ周りを2ミリ程幅詰めしています。
まず、ヒザパーツの下を削り取り市販パーツを使ってそれっぽく仕上げております。
足首の四角いモールドもカスタムだと下が突き抜けているのでここも削ります。
フクラハギの両サイドのパーツも一回り大きい物に変更して内側のスラスターも大きい物に変更しています。
それだけではまだカスタムにならないのでアンクルガードも幅詰めと形状変更しています。

胴体=ここは、改造箇所がとても多いので簡単に書きます。
首周りのパーツをガンダムと同様のモールドを追加
胸の出っ張ったパーツを切り取ってモールドを彫り直し
肩のダクトの真ん中にモールドを追加
コクピットブロックは、FGガンダムのパーツを使用
腹部は、隙間が空いているのでプラ板で延長
前のフンドシパーツは、HGUCガンダムの物を形状変更と市販パーツを使用
後ろのフンドシパーツは、パワードジムの物です。
前後のヘリウムコアは、後ろの物をもう二つ用意して貼り付けております。
サイドスカートの凹みをアルテコで埋めています。
ランドセル横のバーニアは、パーツとつながっていたので一度切り取って市販パーツに変更!
バーニアもキットの物では大き過ぎるので市販パーツを切り詰めて丁度良い大きさに変更!

武器・シールド=ジムライフルは、ストレートです。
シールド裏に予備のマガジンをレジンで複製して取り付けています。
ただ、そのままでは取り付けるスペースが無いので削ってスペースを確保。
シールドの淵もプラ板を貼って削り少しシャープにしています。
ビームサーベルグリップのパーツを真鍮線に変更。

1/35フィギュア=今回は、バニング機と言う事でフィギュアも製作!
これが無いとモンシア機かベイト機かバニング機か解りませんので・・・
このフィギュアはとても苦労しました。
特に顔!作り始めた当初は、バニングではなくどう見てもハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)にしか見えませんでした・・・(笑)
そこから何とかバニング大尉に見える様頑張りました。
ヘルメットには、ちゃんとパーソナルマークを描いています。
このノーマルスーツでの立体化は、あまりされていない様な気がします。

後は、ストレートにつなぎ目消し・ヒケ処理(400番〜600番〜1000番のペーパーがけ)サフ吹き(1200)のあと黒立ち上げ塗装・エナメル塗料(ブラック+ブラウン)でスミ入れ・デカール貼り・トップコート(半ツヤ)を吹いています。
フィギュアや細かい所は、筆塗りです。
デカールを貼る時に三十路工廠さんとも相談していたのですがこの機体色だと黒よりグレーの「EFSF」の方が合うよねと話していたのですが、近所ではグレーの物が入っているMGボールのデカールが売っていませんでした・・・。
なので今回は黒で我慢!全然おかしく無いですから大丈夫ですよね?
バニング機どうしても貼らなければいけないのがシールドの連邦マーク(白)です!
これは、劇中でも確認出来ます。

カトキ・ハジメ氏がデザインしたMSだからと言ってコーションやEFSFを貼りたくったり、シールドに大きくアナハイムやアルビオンのデカールは、絶対に貼りません!
カッコ悪過ぎます。それじゃまるでアクションフィギュアですからね。
あとバニング機だからと言って「不死身の第04小隊」のマーキングやトリントン基地のマーキングを貼るのは、御法度です。
1年戦争当時のジムコマンドやスナイパーに不死身の第04小隊を貼るのは、OKですがこの機体を乗っている頃には、アルビオンのMS乗りなのでNGです。
トリントン基地のマーキングもジム改ならありですが、カスタムは、ガンダム試作2号機追撃の為、宇宙に上がる際に配備された機体なのであまり貼らない方が好ましいですね!

今回のポイントは、いずれ発売されるはずのこのジム・カスタムを発売される物よりカッコ良く作る!と言う事です。
多分、発売されてもクゥエルの脚がそのままでしょうからね!
それにバニング大尉は、絶対付いていませんからね!
バニング大尉が付いているのは、ヤマネ工房製作の物だけです。

あともう一つだけ、改造したパーツと既存のパーツを馴染ませるコツとして改造したパーツのエッジを軽く落として既存のパーツと同じエッジにする事です。
そうしないと弄った箇所だけがエッジが出ていて可笑しいですからね。
だったら全体的にエッジを出せば良いのでは?と思われると思いますが、私は、最近の流行物が全くダメな人間でして皆がそうするのだったら私はあえてこうします!と言う感じですね。
全体的に少し丸い感じにしたかったのでこうなりました。
劇中画面ばかり見ていたせいもありますね。
頭部は、アニメと設定画の中間位でしょうか・・・?ジムなので少しは弱そうな感じも欲しいですからね。
依頼者様は、MGの様な感じでも無くアニメで見たジム・カスタムを望んでおられたのでこれは、当然ですね。